要支援1・2、要介護1では、車いすや特殊寝台(介護ベッド)など一部の福祉用具は原則として介護保険給付の対象外です。ただし「要介護1なら絶対に借りられない」という意味ではありません。
厚生労働省は、認定調査の基本調査結果が所定の状態像に該当する場合や、医師の医学的所見・サービス担当者会議等によるケアマネジメント・市町村確認など一定の条件を満たす場合に、例外的な給付が可能としています。
先に結論|要介護度だけで決めない
- 原則対象外の種目か確認
- 直近の基本調査結果で状態像に該当するか確認
- 基本調査だけで判断できない場合、主治医情報やケアマネジメントで必要性を検討
- 例外要件では市町村へ書面等で確認
要支援1・2、要介護1で原則対象外になる主な種目
- 車いす・車いす付属品
- 特殊寝台・特殊寝台付属品
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト(つり具部分を除く)
- 自動排泄処理装置
自動排泄処理装置の一部は要介護2・3でも原則対象外となるため、別途条件確認が必要です。制度全体は介護保険でレンタルできる福祉用具13品目で整理しています。
介護ベッド(特殊寝台)は基本調査のどこを見る?
厚労省資料では、特殊寝台・付属品について、次の状態像と基本調査結果が示されています。
| 状態像 | 基本調査 |
|---|---|
| 日常的に起き上がりが困難 | 1-4「3.できない」 |
| 日常的に寝返りが困難 | 1-3「3.できない」 |
直近の認定調査がこの条件に該当する場合、例外給付の判断につながることがあります。実際の導入はケアプランや福祉用具貸与の必要性を確認して進めます。
車いすは「歩行できない」だけが条件ではない
車いすについては、「日常的に歩行が困難な者」は基本調査1-7「3.できない」が示されています。一方「日常生活範囲における移動の支援が特に必要と認められる者」には、対応する基本調査項目がありません。
この場合、厚労省資料では、主治医から得た情報、福祉用具専門相談員等が参加するサービス担当者会議等を通じたケアマネジメントにより、指定居宅介護支援事業者が判断する仕組みが示されています。
基本調査に該当しなくても例外給付があり得る3類型
厚労省は、次のいずれかに該当することが医師の医学的所見に基づいて判断され、サービス担当者会議等による適切なケアマネジメントで福祉用具貸与が特に必要と判断され、市町村が書面等で確認した場合に例外給付が可能としています。
- 状態が変動しやすい:日や時間帯によって対象状態になる
- 急速に悪化する:短期間で対象状態になることが確実に見込まれる
- 重大な危険・重篤化の回避:医学的判断から対象状態と判断できる

自治体で手続きが違うことがある
国の基準は共通ですが、確認書類の様式、提出時期、事前申請の要否、電動車いす等の扱いは自治体運用で差が見られます。例えば立川市は、基本調査に該当しない場合の手続きや電動車いすの申請について独自の案内を出しています。
そのため、親の住所地の市区町村公式サイトで「軽度者 福祉用具 例外給付」を検索し、担当ケアマネジャーまたは地域包括支援センターへ確認してください。
例外給付を相談するとき家族が準備したいこと
- 日常生活のどの動作で困っているか
- 起き上がり・寝返り・歩行・移動の普段の状態
- 日によって状態が変わるか
- 転倒や急な状態悪化など具体的な出来事
- 現在の住環境と介助方法
- 主治医へ伝えている症状・生活上の困りごと
要介護認定そのものの流れは要介護認定の申請方法を確認してください。
費用・契約・解約・返却・設置条件
| 項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 費用 | 介護保険適用なら負担割合に応じる。付属品を含む実際の月額は事業所・製品で確認 |
| 契約 | 指定福祉用具貸与事業所との契約内容、点検、交換、搬入を確認 |
| 解約・返却 | 不要になった時の連絡期限、回収方法、入院時の扱いを事業所へ確認 |
| Wi-Fi | 通常の介護ベッド・車いす貸与にWi-Fiは不要。通信機能付き製品は個別確認 |
| 工事・賃貸 | 介護ベッド搬入スペース、床、廊下幅、エレベーター等を確認。住宅改修とは別制度 |
介護ベッドのレンタルと購入の違いは介護ベッドはレンタルと購入どっち?でも整理しています。
向く家庭・向かない家庭・導入しない条件
例外給付の相談が向く可能性がある家庭
- 基本調査の状態像に該当する
- 状態が変動・急速悪化するなど医学的理由がある
- ケアマネジメント上、福祉用具の必要性が具体的
先に別方法を検討する家庭
- 本人の状態に対して用具が過剰
- 安全な設置スペースがない
- 用具より住宅動線・介助方法の調整が優先される
本人同意と安全
福祉用具は「借りられるか」だけでなく、本人が安全に使えるか、生活の自立を妨げないかを専門職と確認します。特殊寝台のサイドレールや車いすは誤使用による事故もあり得るため、福祉用具専門相談員の説明を受けてください。
まとめ
要支援1・2、要介護1でも、介護ベッドや車いすが例外的に介護保険給付の対象となる場合があります。判断は基本調査だけでなく、用具ごとの状態像、医師の所見、サービス担当者会議等のケアマネジメント、市町村確認を組み合わせて行います。要介護度だけで自己判断せず、親の住所地の自治体と担当者へ確認してください。


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