高齢者の見守りを無料で始める方法5つ|離れて暮らす親にできる対策

親の見守り

離れて暮らす高齢の親が気になっても、最初から見守り機器や有料サービスを契約する必要はありません。

家族の連絡ルール、すでに使っているスマートフォンの機能、地域包括支援センターや自治体の制度を組み合わせれば、追加の見守り契約をせずに始められる場合があります。

ただし、無料の方法だけで24時間の自動検知や緊急時の駆け付けまでできるわけではありません。親本人の同意を得たうえで、「何を確認したいのか」「連絡が取れないときに誰が動くのか」を先に決めることが重要です。

この記事では、離れて暮らす親に使える無料または公的支援中心の見守り方法を5つに分け、それぞれの条件と限界を整理します。この記事にはアフィリエイトリンクを掲載していません。

先に結論|無料の見守りは5つの方法から選べます

方法 追加費用 親側に必要なこと 確認できること 主な限界
家族の定時連絡ルール 原則なし 電話・メッセージに応答する 会話、声の様子、生活上の困りごと 連絡時間以外の異変は分からない
スマホの位置情報共有 既存端末・通信契約の範囲 本人が共有設定に同意する 端末のおおよその現在地 体調や室内の異変は分からない
スマホの緊急SOS設定 既存端末・通信契約の範囲 事前設定と操作の確認 緊急通報、緊急連絡先への通知 本人が操作できない状況では使えない場合がある
地域包括支援センターへの相談 相談は原則無料 本人または家族が相談する 地域で利用できる制度や支援先 センター自体が常時見守る制度ではない
自治体の安否確認・補助制度 無料または一部補助の場合あり 対象条件の確認と申請 電話確認、訪問、機器費用の補助など 地域・年齢・世帯条件で内容が異なる

まずは、家族だけで無理なく続けられる方法を1つ選び、2週間ほど試します。それで不足する場合に、公的制度や有料サービスを追加する順番が分かりやすいでしょう。

離れて暮らす親の無料見守り方法を選ぶ判断手順
本人の同意、スマートフォンの利用、緊急対応の必要性から無料の見守り方法を選びます。

1.家族の定時連絡ルールを決める

最も始めやすいのは、家族で連絡する曜日や時間を決める方法です。毎日必ず電話する必要はありません。親と家族の負担にならない頻度を決め、電話、SMS、LINEなど、親が普段から使っている手段を選びます。

決めておきたい4項目

  • 連絡する曜日とおおよその時間
  • 親から連絡するか、家族から連絡するか
  • 一度つながらなかった場合、何分後に再連絡するか
  • 一定時間つながらない場合、誰に確認を頼むか

たとえば「月・水・金の午後8時に家族から電話し、30分後も応答がなければ別の家族から連絡する」といった形です。近所の親族や支援者へ確認を頼める場合は、本人の同意を得て連絡先を共有しておきます。

無料である一方、定時連絡は自動検知ではありません。転倒や急病が起きても、次の連絡時刻まで気付けない可能性があります。親の体調が不安定な場合や、家族が連絡後に動けない場合は、無料の方法だけで十分とは限りません。

2.スマートフォンの位置情報共有を使う

親がスマートフォンを使っている場合は、端末に備わっている位置情報共有を利用できます。新たな見守りサービスを契約せず、既存のスマートフォンと通信契約の範囲で使える方法です。

iPhoneの場合

Appleの「探す」では、本人が共有相手と共有期間を選び、位置情報を共有できます。共有は本人の操作で停止できます。設定方法と停止方法は、Apple公式「iPhoneの『探す』で位置情報を共有する」で確認できます。

Android・iPhoneでGoogleマップを使う場合

Googleマップでも、現在地を確認できる相手と共有期間を本人が選択できます。共有相手には、端末の最近の位置情報やバッテリー残量などが表示される場合があります。詳しい条件は、Google公式「Googleマップでリアルタイムの位置情報を共有する」で確認できます。

位置情報共有は、本人が外出先にいるか、端末が自宅付近にあるかを確認する補助にはなります。しかし、端末を自宅へ置いたままにした場合や、電源・通信・位置情報設定がオフになった場合は正確に確認できません。また、位置情報だけでは体調や室内での転倒は判断できません。

本人に知らせず位置情報を共有する設定は行わないでください。共有相手、共有期間、停止方法を親本人と一緒に確認します。

3.スマートフォンの緊急SOSと緊急連絡先を設定する

位置情報の常時共有に抵抗がある場合は、緊急時だけ使うSOS機能を確認する方法があります。

iPhoneの緊急SOS

iPhoneでは、緊急SOSを使用すると緊急通報サービスへ電話をかけ、事前に登録した緊急連絡先へ通知と位置情報を送れる場合があります。Appleは、緊急連絡先の追加方法やボタン操作を公式サポートで案内しています。

Androidの緊急情報サービス

Androidでは、対応端末で緊急SOSを設定し、緊急通報、緊急連絡先への位置情報共有などを開始できます。ただし、機種やAndroidのバージョン、設定によって利用できる機能が異なります。リアルタイムの位置情報共有にはインターネット接続が必要です。詳しくは、Google公式「Androidスマートフォンを使用して緊急時に助けを求める」を確認してください。

設定しただけでは、親が緊急時に操作できるとは限りません。実際に通報しない範囲で、どのボタンを押すのか、誤操作した場合にどう止めるのかを一緒に確認しておきます。

4.地域包括支援センターへ無料で相談する

家族だけでは何を選べばよいか分からない場合は、親の住所地を担当する地域包括支援センターへ相談できます。

厚生労働省によると、地域包括支援センターは市町村が設置し、高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防、地域の支援体制づくりなどを担う機関です。厚生労働省の案内では、相談・支援は無料とされています。全国の地域包括支援センターは、地域包括ケアシステムのページから確認でき、相談費用については厚生労働省「介護の相談窓口等について」で確認できます。

相談すると、地域で利用できる安否確認、緊急通報、配食、訪問、介護予防などの制度へつないでもらえる場合があります。ただし、地域包括支援センター自体が24時間の見守りや定期連絡を提供するとは限りません。利用できる制度と対象条件を確認するための相談窓口として使います。

5.自治体の無料・補助制度を確認する

自治体によっては、ひとり暮らしの高齢者などを対象に、電話による安否確認、緊急通報機器、見守り機器の費用補助などを実施しています。

例として、さいたま市の「ひとり暮らし高齢者安否確認事業」は、対象となる65歳以上のひとり暮らし高齢者へ、専門スタッフが月2回電話・FAXで安否確認を行い、費用は無料と案内しています。対象条件と申請方法は、さいたま市公式ページで確認できます。

一方、横浜市では、対象となる65歳以上のひとり暮らしの人に対し、登録された見守りサービスの月額費用を最大1,000円補助する制度を案内しています。無料ではなく一部補助の制度もあるため、横浜市公式ページのように、費用と対象条件を個別に確認する必要があります。

自治体制度は全国一律ではありません。検索するときは、次の組み合わせが探しやすいです。

  • 「自治体名 高齢者 安否確認」
  • 「自治体名 高齢者 緊急通報」
  • 「自治体名 見守り 補助」
  • 「自治体名 地域包括支援センター」

無料の見守りが向く家庭

  • 親本人が見守り方法に同意している
  • 親が電話やスマートフォンを無理なく使える
  • 家族が定期的に連絡できる
  • 連絡が取れないときの確認担当者を決められる
  • 24時間の自動検知や駆け付けまでは必要としていない

無料の方法は、見守りを始めるきっかけとして有効です。本人がまだ機器の導入に抵抗を感じている場合も、定時連絡や緊急連絡先の確認から始めると話し合いやすくなります。

無料だけでは足りない可能性がある家庭

  • 親が電話やスマートフォンを操作できない
  • 連絡が取れなくても、家族や近隣の人が確認へ行けない
  • 転倒や長時間の無活動を自動で検知したい
  • 24時間の相談窓口や緊急通報先が必要
  • 通知後に警備員などの駆け付けを依頼したい
  • 退院直後など、体調変化への不安が大きい

このような場合は、無料の方法を無理に続けるより、有料サービスを含めて検討した方がよい可能性があります。設置条件や契約条件は、高齢者見守りサービス10社比較で確認できます。

実家にWi-Fiがない場合は、Wi-Fiなしで使える見守り方法と、Wi-Fi不要の見守りセンサー比較も参考にしてください。

無料の見守りを始める5つの手順

  1. 本人の希望を確認する:位置情報の共有、連絡頻度、自治体への相談について本人の同意を得ます。
  2. 確認したい異変を1つ決める:電話に出ない、外出先から戻らない、緊急時に助けを呼べないなど、目的を絞ります。
  3. 最も負担の少ない方法を選ぶ:定時連絡、位置情報、SOS、地域相談の中から1つ選びます。
  4. 連絡が取れない場合の手順を決める:再連絡、別の家族、近隣の協力者、公的窓口などの順番を決めます。
  5. 2週間後に見直す:親と家族の負担、見落とし、不安が減ったかを確認します。

まとめ|まず無料で始め、足りない部分だけ追加する

高齢者の見守りは、家族の定時連絡、スマートフォンの位置情報共有、緊急SOS、地域包括支援センター、自治体制度から無料または低負担で始められます。

一方で、無料の方法だけでは、自動検知、24時間対応、駆け付けをカバーできません。親本人の同意を守りながら、無料で確認できる範囲と、家族が対応できない範囲を分けて考えることが大切です。

高価なサービスを先に選ぶのではなく、まず続けられる無料の方法を1つ試し、不足する機能だけを後から補うと、家庭に合う見守り方法を選びやすくなります。

確認した公式資料

確認日:2026年8月6日

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