親の退院が決まったら介護用品は何を準備する?買う前の確認事項

親の退院が決まったら介護用品は何を準備する?買う前の確認事項 親の介護

親の退院日が決まると、「介護ベッド、車いす、おむつ、シャワーチェア……何を買えばいい?」と急いでしまいがちです。

先に結論です。最初に作るのは買い物リストではなく、退院後に親が家で行う動作の確認リストです。移動、起き上がり、トイレ、入浴などを病院の退院支援担当、ケアマネジャー、理学療法士・作業療法士等と確認し、レンタル・購入・住宅改修・自費日用品を分けて準備します。

退院前に確認したい5つの生活動作

確認する動作候補になる用具例買う前の確認
起き上がり・移乗特殊寝台、付属品、手すり等ベッド高、立ち上がり、介助スペース、介護保険の対象
室内移動車いす、歩行器、杖、スロープ本人の歩行能力、廊下幅、段差、屋外利用
排泄腰掛便座、ポータブルトイレ等夜間動線、移乗、置き場所、清掃・処理
入浴入浴用いす、浴槽用手すり等浴室寸法、またぎ動作、介助者の位置
日々の介助防水シーツ、使い捨て手袋、清拭用品等実際に必要な介助内容と消費量

ここに挙げた用具がすべて必要という意味ではありません。身体状況・家の間取り・介護する人によって必要性は変わります。

親の退院が決まったら介護用品は何を準備する?買う前の確認事項の判断ポイントを整理した図
記事の判断ポイントを整理

順番1|病院で「できること・難しいこと」を聞く

退院前は、病名だけでなく、家で必要になる動作を確認します。

  • ベッドから一人で起き上がれるか
  • 立ち上がり・車いすへの移乗に介助が必要か
  • トイレまで歩けるか、夜間はどうするか
  • 浴槽をまたげるか、シャワー浴が現実的か
  • 階段・玄関段差をどう通るか

厚生労働省の福祉用具に関する検討でも、福祉用具の選択には医師やリハビリテーション専門職等の意見を反映し、サービス担当者会議や退院時カンファレンス等を活用する考え方が示されています。

順番2|介護保険で「借りるもの」「買うもの」を分ける

介護保険の福祉用具は、全部を購入する仕組みではありません。

貸与の対象例

厚生労働省は、車いす、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ等を福祉用具貸与の対象として示しています。ただし、要介護度等によって原則対象外となる種目や例外があります。

販売の対象例

腰掛便座、入浴補助用具、簡易浴槽などは特定福祉用具販売の対象です。また、2024年4月から一部のスロープ・歩行器・杖は貸与と販売の選択制になっています。

厚生労働省は、貸与について担当ケアマネジャーと福祉用具貸与事業者へ相談し、販売についても事業者や、ケアプランがある場合はケアマネジャーへ事前相談するよう案内しています。

順番3|住宅改修は先に工事しない

手すり設置や段差解消などが必要でも、介護保険の住宅改修を利用する場合は事前手続きが関係します。退院日が迫っていても、制度を使う予定なのに先に自己判断で工事してしまわないよう、自治体・ケアマネジャー等に確認してください。

要介護認定前や申請中の購入・レンタル・住宅改修の順番は、要介護認定前に介護用品を買っていい?で整理しています。

順番4|退院初日から必要なものだけ先に絞る

編集部整理:退院前の準備では「いつか使うかもしれない物」までまとめて買うより、家に戻った直後の生活で必要な物を先に決める方が、サイズ違い・重複・制度利用漏れを避けやすくなります。

たとえば、ベッドや車いすのように身体状況への適合が重要な用具は、専門職・福祉用具事業者と確認してから決めます。一方、実際の介助内容が分かっていて必要な防水シーツ等の日用品は、自費で用意する場面があります。

家の寸法を測っておく

  • 玄関、廊下、居室の幅
  • ベッドを置く場所と介助者が立つスペース
  • トイレの入口・便器周囲
  • 浴室入口、洗い場、浴槽の高さ
  • 玄関・室内の段差

病院で使えた車いすや歩行器でも、自宅の廊下やトイレでは使いにくいことがあります。製品名を決める前に、身体状況と家の寸法をセットで確認します。

誰に相談する?

  • 病院の退院支援担当・医療ソーシャルワーカー:退院後に必要な支援・在宅サービスへの接続。
  • 理学療法士・作業療法士等:移動、移乗、日常生活動作、家で注意する動作の確認。
  • ケアマネジャー:介護保険サービス、福祉用具、住宅改修等の調整。
  • 地域包括支援センター:ケアマネジャーが決まっていない場合等の地域相談。
  • 福祉用具専門相談員:身体状況・住環境に合う福祉用具の選定、調整。

無料・公的な選択肢

介護保険の認定や給付対象に該当すれば、福祉用具貸与・特定福祉用具販売・住宅改修等を利用できる場合があります。まず制度適用と相談先を確認し、自己負担で全部買う前に公的制度を確認してください。

介護保険でレンタルできる福祉用具一覧もあわせて確認できます。

向く準備・避けたい準備

先に進めやすい準備

  • 退院後の生活動作を専門職に確認する
  • 家の寸法を測る
  • ケアマネジャー・地域包括支援センターへ相談する
  • レンタル・販売・住宅改修・自費用品を分ける

避けたい準備

  • 身体状況を確認せず高額なベッド・車いす等を購入する
  • 制度の事前手続きを確認せず住宅改修を始める
  • 「介護用品セット」のように不要品まで一括で買う
  • 親本人の希望や家での動線を無視して用具を決める

まとめ|買い物より先に退院後の動作を確認する

退院前に介護用品を準備するときは、商品一覧から選ぶのではなく、起き上がり、移動、排泄、入浴などの生活動作から必要性を確認します。

そのうえで、介護保険で借りるもの、販売給付の対象になるもの、住宅改修、自費の日用品へ分けます。「退院までに全部買う」のではなく、専門職と家の条件を確認して必要なものだけ整えることが基本です。

確認した公式資料

最終確認日:2026年8月31日。制度・料金・契約条件は変更されるため、利用・申込前に最新の公式情報を確認してください。

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