親が退院する、急に歩けなくなった、トイレや入浴が難しくなった――。要介護認定の結果を待っている間にも、介護用品は必要になります。
ただし「どうせ介護保険が使えるだろう」と先に高額な用具を買ったり、住宅改修を始めたりすると、認定結果や事前手続によっては全額自己負担になることがあります。
先に結論|急ぐ物と、介護保険の確認を待つ物を分ける
| 必要なもの | 認定前の考え方 | 先にすること |
|---|---|---|
| 消耗品・安価な日用品 | 必要性が高ければ自費購入を検討 | 介護保険対象外か確認 |
| 福祉用具レンタル | 暫定ケアプランで利用できる場合がある | 地域包括支援センター・ケアマネジャー・保険者へ事前相談 |
| 特定福祉用具購入 | 認定申請中でも手続可能な自治体例あり | 購入前に対象品・指定事業者・申請方法を自治体へ確認 |
| 住宅改修 | 認定申請中でも事前申請後に工事可能な自治体例あり | 着工前の事前申請が必須。非該当なら自己負担リスク |

最初に「要介護認定の申請日」を確認する
まだ申請自体をしていない場合は、まず地域包括支援センターや自治体の介護保険窓口へ相談します。認定前の暫定利用は、すでに認定申請をしていることを前提に扱う自治体があります。
申請手続の流れは要介護認定の申請方法で確認してください。
レンタル|結果前でも暫定ケアプランで使える場合がある
介護ベッドや車いすなど、退院直後から必要な福祉用具は認定結果を何週間も待てないことがあります。自治体の運用では、認定申請中に暫定ケアプランを作成し、福祉用具貸与を開始できる例があります。
ただし、認定結果が想定より軽くなった場合、介護ベッド等の一部種目は軽度者の原則対象外になるため、例外給付の事前確認が必要になることがあります。
吹田市は、認定申請中に暫定貸与する場合の事前手続を行わず、結果が要支援1・2や要介護1だった場合は保険適用されないことがあると案内しています。
レンタル開始前に確認すること
- 暫定ケアプランを誰が作るか
- 認定結果が非該当・軽度だった場合の自己負担
- 例外給付に必要な医師の所見・自治体確認
- 結果が出るまでの請求方法
- 合わなかった場合の返却・機種変更
購入|「認定前に買ったから必ず対象外」とは限らないが、先買いは危険
特定福祉用具販売については、認定申請中に事前申請して購入でき、認定結果後に支給する運用を案内する自治体があります。長井市は、認定結果が非該当なら購入費を支給しないと明記しています。
一方、購入前の事前申請の要否、受領委任払いが使える時期、必要書類は自治体で違います。品川区も認定申請中の福祉用具購入費は認定決定後の扱いとなり、給付が遅れる場合があると案内しています。
「対象商品をAmazonで先に買い、あとで申請すればよい」とは考えないでください。介護保険を使う特定福祉用具販売では、指定事業者からの購入等の条件があります。
対象品目・年度10万円上限などは介護保険で買える福祉用具一覧で確認できます。
住宅改修|認定結果より先に工事する場合でも「着工前申請」が必要
住宅改修は特に順番を間違えやすい制度です。厚生労働省は、住宅改修について施工前・施工後に自治体へ申請するよう案内しています。
鎌倉市では、要介護・要支援認定の申請中でも住宅改修は可能としていますが、着工前の事前申請が必要で、費用支給は認定結果後です。認定結果が非該当なら全額自己負担になります。
「退院に間に合わせたいから今日工事する」と、事前申請を飛ばさないでください。
住宅改修の対象工事・20万円上限は介護保険の住宅改修で整理しています。
認定前に自費で買ってよいもの
介護保険を使う予定がない一般の日用品まで、すべて認定結果を待つ必要はありません。
- 使い捨て手袋
- 防水シーツ
- 清拭用品
- 一般の日用品や衣類
ただし、同じ「介護用品」という売り場に、介護保険のレンタル・特定福祉用具販売・住宅改修に関係する物が混在しています。高額な用具や身体に直接関わる用具は相談してから選びます。
退院日が迫っている場合の順番
- 病院の退院支援担当・医療ソーシャルワーカーへ必要動作を確認
- 地域包括支援センターまたは担当予定のケアマネジャーへ連絡
- 要介護認定申請済みか確認
- 退院日に必須の福祉用具だけ暫定手配を相談
- 購入品・住宅改修は介護保険の事前手続を確認
- 結果後にケアプランと用具を再評価
認定結果が想定と違った場合を先に説明してもらう
暫定利用の最大の注意点は、認定結果が「非該当」または想定より軽かった場合です。保険給付の対象にならず、利用開始日から自費になる可能性があります。
契約前に「非該当だった場合はいくら支払うか」「要介護1だった場合、このベッドは例外給付になるか」を具体的に聞き、家族も理解しておきます。
受領委任払いは認定申請中に使えない自治体もある
福祉用具購入費や住宅改修費の支払い方法として、最初から自己負担分だけを事業者へ払う「受領委任払い」を設ける自治体があります。
ただし、板橋区や中野区のように、認定申請中は受領委任払いを利用できないとする例があります。認定前は一時的に全額を立て替える「償還払い」になる可能性も含め、資金面を確認します。
買わない・工事しない方がよい条件
- まだ要介護認定を申請していない
- 本人の動作を専門職が確認していない
- 介護保険対象品か分からない
- 指定事業者か確認していない
- 住宅改修の事前申請をしていない
- 認定非該当時の自費金額を把握していない
まとめ|認定前は「買う」より先に、暫定利用できる制度を確認
要介護認定の結果が出る前でも、福祉用具レンタル、特定福祉用具購入、住宅改修を暫定的に進められる場合があります。しかし、自治体ごとの手続と認定結果によっては保険給付されません。
急いでいるときほど、地域包括支援センター、ケアマネジャー、自治体へ先に相談し、必要なものだけを順番に手配してください。高額な購入や工事を先に確定しないことが重要です。


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