親が入院すると、自宅にある介護ベッド、車いす、歩行器などのレンタル品を「すぐ返した方がいい?」と迷います。
先に結論です。入院中は介護保険の福祉用具貸与を利用できないのが基本ですが、入院した当日に家族が自己判断ですべて返却する必要があるとは限りません。まずケアマネジャーと福祉用具貸与事業所へ連絡し、入院見込み、契約上の一時休止、返却日、退院時の再搬入を確認します。
入院したら最初に確認する4点
| 確認 | 聞く内容 |
|---|---|
| 介護保険の扱い | 入院中の貸与は保険給付対象外になるため、いつから停止扱いになるか |
| レンタル契約 | 一時休止があるか、返却が必要か、月途中の料金計算 |
| 退院見込み | 短期か長期か。現時点で未定ならその旨を伝える |
| 再開方法 | 同じ用具を再利用できるか、再契約・再搬入・在庫確認が必要か |

介護保険の福祉用具貸与は「在宅サービス」
町田市は、福祉用具レンタルについて「入院中や施設入所中には利用できません」と案内しています。泉南市も、介護保険での福祉用具利用は在宅サービスであり、病院や介護保険施設に入院・入所している間は介護保険でレンタルできないとしています。
したがって、「家に置いたままなら介護保険で借り続けられる」とは考えない方が安全です。入院日をケアマネジャー・事業所へ伝え、保険請求と契約の扱いを確認します。
短期入院なら「一時休止」で置いておける事業所もある
ここは全国一律ではなく、事業所の契約・運用で差があります。たとえば福祉用具貸与事業者のヤエスは、検査などの短期入院では返却不要とし、休止扱いで入院期間中の費用は発生しないと案内しています。DCMも、一時的な入院・入所時に一定期間レンタル請求を止める「一時休止サービス」があると案内しています。
一方で、長期入院になれば引き上げる運用もあります。つまり、「入院=即返却」「短期なら必ず無料で置ける」のどちらも全国共通ルールではありません。契約先へ確認してください。
返却を急ぎすぎると、退院時に同じ環境へ戻せないことがある
介護ベッドや付属品を返却したあと、退院時に再び必要になっても、同じ機種・同じマットレスが確保できるとは限りません。再契約、搬入日調整、組み立て、身体状況への再適合が必要になる場合があります。
退院が数日後と分かっているのに、返却してすぐ再搬入するのは家族・事業者双方の負担になります。逆に長期入院の見込みが明確なら、自宅で使わない大型用具を置き続ける理由は薄くなります。
編集部整理:判断基準は「入院日数だけ」で機械的に決めるのではなく、医療側が見込む退院時期、退院後の身体状況、事業所の休止条件、再搬入のしやすさを合わせることです。
返却する場合に確認したいこと
- 誰へ連絡すれば正式な解約・休止になるか
- 返却日と契約終了日の関係
- 月途中の料金が日割り・半月・月額のどれか
- 回収費用や訪問費用があるか
- 家族の立ち会いが必要か
- 付属品、リモコン、説明書など返却物
- 退院時に同等品を再手配できるか
料金計算は事業所ごとの契約条件を確認します。「介護保険だから返却日の料金計算まで全国共通」とは限りません。
病院へ自宅のレンタル品を持ち込めるとは限らない
入院中は病院側の設備・安全管理があります。自宅で借りている車いすや歩行器を病院で使いたい場合も、家族判断で持ち込まず、病院と事業所へ確認してください。泉南市は、一時帰宅を退院とはみなさず、一時帰宅中の利用目的でも介護保険で福祉用具を借りられないと案内しています。
退院前に再確認する
入院前と退院後で、親の身体状況が同じとは限りません。介護ベッドの高さ、マットレス、手すり、車いす、歩行器などが退院後の状態に合うか、病院のリハビリ職、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員と確認します。
退院時に新しく用具を準備する流れは親の退院が決まったら介護用品は何を準備する?、介護保険の貸与品目は介護保険でレンタルできる福祉用具13品目で整理しています。
無料・公的な相談先
すでにケアマネジャーがいる場合は、入院が決まった時点で連絡します。ケアマネジャーがいない、介護保険や退院後の生活をどう進めるか分からない場合は、親の住所を担当する地域包括支援センターへ相談できます。
病院側では、退院支援部門や医療ソーシャルワーカー等が、退院後の生活や在宅サービスとの連携を支援する場合があります。病棟で相談窓口を確認してください。
向く対応・避けたい対応
進めやすい対応
- 入院日が決まったらケアマネジャー・貸与事業所へ連絡する
- 退院予定が未定なら「未定」と伝え、いつ再確認するか決める
- 休止・返却・再搬入の条件を契約先から確認する
- 退院前に身体状況へ用具が合うか見直す
避けたい対応
- 入院した日に家族だけで全品返却を決める
- 使っていないからと事業所への連絡なしで放置する
- 短期入院なら必ず無料休止できると思い込む
- 退院前と同じ用具が必ず再確保できると思い込む
まとめ|「保険給付」と「レンタル契約」を分けて確認
入院中は介護保険の福祉用具貸与を利用できないのが基本です。ただし、実際に用具をすぐ回収するか、一時休止として自宅へ残せるか、月途中の費用をどう扱うかは契約先によって異なります。
最初にケアマネジャーと貸与事業所へ入院を伝え、①介護保険の停止、②休止・返却、③料金、④退院時の再搬入を確認してください。レンタル全体の返却・変更については福祉用具レンタルは途中で返却・変更できる?も参照できます。


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