高齢の親のおむつ代が毎月かかるようになると、「介護保険で安くならないのか」「自治体から助成されないのか」と考える家庭は多いはずです。
結論から言うと、自治体によっては紙おむつの現物支給、引換券、購入費助成などがあります。ただし、全国一律の制度ではありません。
対象となる要介護度、在宅か入院中か、所得・住民税、年齢、支給上限、自己負担、申請時期まで自治体ごとに大きく異なります。
そのため「要介護3なら月○円もらえる」と全国共通の制度のように考えず、親が住民登録している自治体の公式情報を確認することが重要です。
先に結論|通販価格を比べる前に自治体制度を確認する
【編集部整理】
おむつ代を抑える順番は、次のように考えると分かりやすくなります。
- 1. 自治体の紙おむつ給付・助成を確認
- 2. 対象なら申請時期と支給方法を確認
- 3. 医療費控除の対象条件を確認
- 4. 制度で足りない自費分だけ通販・店舗で比較
「大人用おむつを安く買う方法」でもこの順番を整理しています。
自治体制度は、購入したおむつのレシートを後から持っていけば返金される仕組みとは限りません。指定商品を配送する方式、引換券方式、入院時のみ費用助成する方式などがあります。
まず申請方法を確認してから自費購入する方が安全です。
自治体によってこれだけ違う|2026年度の4例
以下は制度差を示すための例です。金額を全国共通の基準として使わないでください。
| 自治体 | 主な対象例 | 支給・助成の例 | 自己負担・注意 |
|---|---|---|---|
| 横浜市 | 在宅、要介護4・5、または1~3で必要と認定、非課税世帯等 | 月上限8,000円、要介護1~3の認定対象は6,000円 | 原則1割負担 |
| 世田谷区 | 失禁が2か月以上継続、ねたきり等、要介護3~5等 | 現物支給。入院者の条件該当時は月5,000円上限助成も | 現物支給は月500円。遡及不可の条件あり |
| 静岡市 | 在宅、65歳以上、要介護等、非課税世帯等 | 要介護度等により月1,500~6,500円分の引換券 | 指定取扱店で交換 |
| 川崎市 | 65歳以上の在宅、要介護3~5、紙おむつが必要 | 月6,000円限度 | 所得等に応じ0~20%負担 |
横浜市
2026年6月18日更新の横浜市制度では、ねたきりまたは認知症の状態にある在宅の要介護者で、要介護4・5、または要介護1~3で区福祉保健センター長が必要と認めた人などが対象です。さらに世帯の所得条件があります。
月の利用基準上限は、要介護4・5が8,000円、要介護1~3で認められた人が6,000円で、原則として利用基準額の1割を負担します。
世田谷区
世田谷区では、失禁状態が2か月以上継続し、おむつが必要なねたきり等の要介護3~5の人などへ紙おむつを支給します。
2026年3月時点の現物支給は月500円の利用者負担です。
また、条件に当てはまる入院中の人は現物支給に代えて月5,000円を上限とするおむつ代助成を選べる場合があります。退院後に遡って申請できないため、申請時期が重要です。
静岡市
静岡市では、在宅、65歳以上、紙おむつが必要、要介護認定、所得等の条件を満たす人へ引換券を支給しています。
2026年度の案内では、要介護1・2は月1,500円分、要介護3は5,500円分、要介護4は6,000円分、要介護5は6,500円分です。ただし要介護1~3には追加判定条件があります。
川崎市
川崎市は2026年4月から給付利用限度額を月6,000円へ増額しています。
対象は65歳以上の在宅高齢者で要介護3~5、紙おむつが必要な人等です。利用者負担率は所得区分等により0~20%です。
施設入所や1か月に達する入院は対象外と案内されています。
最初に確認する7項目
自治体公式ページを見つけたら、金額だけでなく次を確認します。
1.住民登録
親がその自治体に住所を置いていることが条件になる制度が一般的です。
2.要介護度
要介護3以上、4以上など自治体で違います。要介護1~3でも個別判定で対象になる自治体があります。
要介護認定がまだなら「要介護認定の申請方法」を確認してください。
3.在宅・入院・施設
在宅者のみの自治体、入院中だけ別の費用助成を行う自治体、施設入所を対象外とする自治体があります。
4.所得・住民税
非課税世帯等に限定する自治体があります。本人だけでなく世帯の課税状況を見る制度もあるため注意します。
5.支給対象の商品
紙おむつ、パンツ型、尿とりパッドだけでなく、防水シーツ等を対象にする自治体もあります。
6.支給方法
現物配送、引換券、費用助成などがあります。
7.申請した月からか
申請前の購入分を遡って請求できない制度があります。おむつが必要になった段階で早めに確認してください。

自治体サイトでの探し方
Googleなどで次の語を検索します。
- 「○○市 紙おむつ 給付 高齢者」
- 「○○区 おむつ 助成 要介護」
- 「○○市 介護用品 給付」
- 「○○市 おむつ券」
検索結果では、自治体公式ドメインを優先してください。
制度名は「紙おむつ給付」「紙おむつ支給」「介護用品給付」「在宅高齢者おむつ助成」など自治体で異なります。
見つからなければ「地域包括支援センターには何を相談できる?」で紹介している窓口へ確認するのが確実です。
「介護保険のおむつ代」と「自治体独自制度」は分ける
自治体の紙おむつ給付は、自治体が介護保険外サービスや高齢者福祉サービスとして実施している例があります。
横浜市は「介護保険以外のサービス」、川崎市も「介護保険外サービス」として案内しています。
「要介護認定を受けている=介護保険から紙おむつが全国一律に支給される」と考えないようにしてください。
要介護度を利用条件にしながら、自治体独自事業として支援しているケースがあります。
申請前に大量購入しない
助成制度が見つかった場合、自費で大容量をまとめ買いする前に申請方法を確認します。
理由は、制度によって指定配送業者・指定商品・引換券などが決まっているためです。
また、介護状態が変わるとパンツ型からテープ型へ変わる、サイズが変わる、尿とりパッドとの組み合わせが変わることがあります。
制度の対象外となる自費分についても、身体に合うことを確認してからまとめ買いする方が無駄を減らせます。
入院・施設入所・転居時は変更届や終了条件を確認
紙おむつ制度は在宅を条件にするものが多く、入院、施設入所、転居、要介護度変更などで対象外になる場合があります。
利用開始時に、次も確認しておきます。
- 入院したら支給は停止するか
- 施設入所時はどうなるか
- 転居した場合の手続き
- 要介護度が変わった場合
- 不要になった場合の連絡先
- 未使用の引換券等の扱い
制度は「一度認定されたらずっと同条件」ではありません。
本人の負担と尊厳|制度で選べる範囲も確認する
給付対象だからといって、本人に合わない商品を使い続ける必要はありません。
自治体によっては複数の商品・配送事業者から選べる制度があります。横浜市では、申請後に配送事業者と相談して希望するタイプ・商品を決めることもできると案内しています。
漏れ、きつさ、肌トラブル、本人が自分で上げ下げできるかなどを確認し、合わない場合は配送事業者、ケアマネジャー、看護師等へ相談してください。
まとめ
親のおむつ代に使える自治体の給付・助成制度はあります。ただし全国一律ではなく、要介護度、所得、在宅・入院、支給方法、上限、自己負担が自治体ごとに異なります。
通販価格を比べる前に、親が住む自治体で「紙おむつ給付」「介護用品給付」を検索してください。
対象になりそうなら、購入後ではなく申請前に支給方法・開始月を確認することが重要です。制度対象外の自費分だけを店舗・通販で比較すると、家計負担を整理しやすくなります。
確認した公式資料
- 横浜市「高齢者紙おむつ給付事業」
- 世田谷区「紙おむつの支給・助成」
- 静岡市「高齢者紙おむつ支給制度」
- 川崎市「紙おむつ等介護用品の給付」
最終確認日:2026年8月19日


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