介護ベッド、車いす、歩行器などは、カタログだけでは「親の身体に合うか」「家の中で動かせるか」が分かりにくい福祉用具です。契約してから合わないと気付くより、可能なら事前に試したいところです。
先に結論です。 契約前のお試し・デモを用意している福祉用具貸与事業所は実際にあります。ただし、全国すべての事業者・すべての商品で無料試用できる制度上の権利ではありません。 試せる商品、期間、費用は事業者ごとに確認が必要です。契約後も、身体状況や生活環境の変化に応じてモニタリングし、必要なら福祉用具貸与計画を変更する仕組みがあります。

結論|「試せますか?」を契約前に聞いてよい
| 段階 | 確認すること |
|---|---|
| 相談 | 本人の身体状況、介助方法、住宅環境、困りごとを伝える |
| 候補選定 | 同じ種目で機能・価格帯の異なる候補を比較する |
| デモ・お試し | 対象商品か、期間、費用、キャンセル条件を確認する |
| 契約 | 料金、納品・回収、故障、解約、変更の条件を確認する |
| 利用後 | モニタリングで合わなければ相談し、必要に応じて計画を変更する |
厚労省の基準では、複数候補の情報提供とモニタリングが求められる
厚生労働省の指定福祉用具貸与の運営基準では、同一種目について機能や価格帯の異なる複数の福祉用具に関する情報を利用者へ提供することが定められています。
また、福祉用具専門相談員は貸与計画を作成し、モニタリング結果を記録してケアマネジャーへ報告し、必要に応じて福祉用具貸与計画を変更することとされています。
つまり、最初に選んだ1機種をそのまま固定するのではなく、本人の状態や使用状況を見て見直すことが制度上も想定されています。
契約前のお試しを公表している事業所はある
厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」は、各事業所が公表したサービスの特色を確認できます。2026年9月25日に確認した例では、次のような案内があります。
| 事業所例 | 公表されている内容 |
|---|---|
| ウェルフォース福祉用具レンタル販売&サポート | お試し貸し出し1週間程度 |
| CARE・DEPOT エンゼル | 正式契約前のデモレンタル。一部商品を除き、デモ期間中のキャンセル料無料 |
| リアンレンタルサービス | 車いす・歩行器等の複数デモ機で機能や使いやすさを試した上で選択可能。変更申出にも対応 |
| ヨウコーほっとフレンド | 利用者に合った福祉用具提供のためデモを多数実施 |
これらは「どこでも同じ条件」という意味ではありません。公表内容は事業所ごとの特色なので、実際に利用する地域の事業者へ確認してください。
お試しで確認したいのは「使えるか」だけではない
- 本人が無理なく操作できるか
- 立ち上がり・移乗・歩行時に身体へ合うか
- 介助者が安全に扱えるか
- 廊下・ドア・ベッド周囲など住宅内で使えるか
- 収納や充電、移動時の置き場所に困らないか
同じ「歩行器」「車いす」でもサイズ、重量、ブレーキ、座面、折りたたみ方などが異なります。可能なら、実際に使う場所で確認できるか相談します。
お試し=無料とは限らない
事業所によっては無料デモを案内していますが、全商品・全地域で無料とは限りません。お試し期間、搬入費、回収費、キャンセル料、破損時の扱いを事前に確認してください。
編集部整理: 「試せますか?」だけでなく、「いつから正式契約・介護保険請求が始まりますか?」まで聞くと、デモ期間と有料レンタル期間を混同しにくくなります。
契約後に合わない場合は、機種変更を相談する
身体状況が変わった、家の中で取り回せなかった、介助方法に合わないなど、利用後に問題が分かることもあります。厚労省基準ではモニタリング結果を踏まえ、必要に応じて貸与計画を変更する仕組みがあります。
ただし「何度でも無条件・無料で交換できる」という全国一律ルールではありません。変更する場合は、福祉用具専門相談員とケアマネジャーへ相談し、商品変更、契約、料金、回収・再納品の条件を確認します。
途中返却・事業者変更は福祉用具レンタルは途中で返却・変更できる?で整理しています。
短期間だけ使いたい場合は別に確認する
デモと、退院後などの短期レンタルは別です。「試用したい」のか「1週間だけ実利用したい」のかを伝えてください。短期利用については福祉用具レンタルは短期間でも借りられる?で整理しています。
契約前のチェックリスト
- 候補を2〜3機種比較できるか
- デモ・お試し可能な商品か
- 期間と費用、回収費はどうなるか
- 本人・介助者・住宅環境への適合を誰が確認するか
- 正式契約・料金発生日はいつか
- 合わない場合の機種変更手順と費用
まとめ
福祉用具レンタルには、契約前のデモやお試しを用意する事業所があります。一方、全国一律の制度ではないため、商品・期間・費用は利用する事業所に確認が必要です。
契約後もモニタリングを行い、必要に応じて貸与計画を見直す仕組みがあります。最初から1機種に決め打ちせず、本人の身体状況、介助方法、住宅環境に合うものを福祉用具専門相談員と比較してください。
確認した公式資料
- 厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
- 厚生労働省「福祉用具・住宅改修」
- 介護サービス情報公表システム「ウェルフォース福祉用具レンタル販売&サポート」
- 介護サービス情報公表システム「CARE・DEPOT エンゼル」
- 介護サービス情報公表システム「リアンレンタルサービス」
最終確認日:2026年9月25日。公表内容・デモ対応・料金は事業所ごとに変更される場合があります。

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